[Vol.2]人工知能の大分類とは?

現代社会では、掃除ロボットや自動運転車など、様々な人工知能(AI)が私たちの生活の中に溶け込んでいます。これらのAIを理解するためには、それらを「入力(周辺の状況)」と「出力(行動)」を変えるプログラム(エージェント)として捉えることが重要です。ここでは、AIを4つのレベルに分けて考えてみましょう。

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レベル①シンプルな制御プログラム

例:エアコンの温度調整、洗濯機の水量調整

センサーからの入力に対して、あらかじめ出力(行動)が決まっています。制御工学やシステム工学で培われた技術です。このレベルのAIは、特定の入力に対して予め定義された出力を行います。例えば、温度センサーが一定の温度を検知した際にエアコンを起動するシステムなどがこれに該当します。

レベル②古典的な人工知能

例:掃除ロボット、診断プログラム

入力と出力の組み合わせが多様で、探索・推論、知識データを利用して状況に応じた複雑な出力ができます。ここでは、AIは複数の条件に基づいて出力を変えます。例えば、天候や時間帯に応じて照明の強度を調整するシステムなどがあります。

レベル③機械学習を取り入れた人工知能

例:交通渋滞予測、天気予報

多くのデータから統計的に法則を見つけ、出力に反映します。このレベルのAIは、過去のデータや経験から学習し、状況に応じて行動を適応させます。例えば、ユーザーの行動パターンを学習して推薦を行うショッピングアプリなどがこれに当たります。

レベル④ディープラーニングを取り入れた人工知能

例: 自動翻訳、画像認識

データの中で学習結果に強く影響する部分を自動的に学習します。画像認識や音声認識、自動翻訳の精度向上に貢献する特徴です。最も高度なレベルのAIは、複雑な状況分析と意思決定を行い、自律的に行動します。自動運転車がこの例で、周囲の状況を分析し、最適なルートを選択して運転します。

AI効果について

人工知能の事例は、その原理を知ると単なる「自動化」と感じることがあります。この心理的効果を「AI効果」と呼びます。AI効果は、技術が一般化すると、それが「知能」とは関係ないと見なされる傾向を指します。